「信州の名工」小山町子氏(岡谷絹工房代表)受賞

長野県では技能尊重の機運を高め、技能労働者の社会的地位の向上を図ることを目的として、毎年、卓越した技能を持ち、その分野で県下第一人者と目されている方を「信州の名工」(卓越技能者知事表彰)として表彰しています。この度、岡谷絹工房代表の小山町子氏が令和7年度「信州の名工」として受賞されました。

 

小山町子氏は、岡谷市出身のテキスタイル・デザイナーで日本各地の織物の振興に貢献した故・宮坂博文氏が平成10年に設立した「岡谷絹工房」の創立メンバーとして手染め、手織りにこだわった絹織物の製造と後継者育成、地域振興活動に長年携わってこられました。

 

作品の特徴としては、糸からこだわった絹織物の製造を得意としており、宮坂博文氏が開発した節のある、あし絹を緯(よこ)糸と経(たて)糸に使用した諸あし紬(もろあしつむぎ)の織り技法を開発されました。節のある糸を経糸に使用すると、機織り機の綜絖や筬を糸が通りづらくなるため、設計と織りの技術の高さが必要となります。独自に開発したあし絹を生かし、高い技術力で手織りした諸あし紬は「おかや絹」として平成17年に中小企業庁のJAPANブランド育成支援事業に採択され、国内のほか海外では仏・パリの「メゾン・エ・オブジェ」に出展されました。

諸あし紬は、着物、ジャケット、ネクタイ、小物など生活を彩る絹織物として製品化され、侘び寂びを感じる独特の風合いが多くの人に好まれており、岡谷市観光協会推薦のお土産品としても認定されています。

2014年には他界した宮坂博文氏の後継者として「岡谷絹工房」の代表に就任され、着物や帯のほか、高級紳士服メーカーやアパレルメーカーのジャケット生地、国立歴史民俗博物館の展示衣裳、歌舞伎衣裳など多岐にわたる依頼に対し、デザインから設計、染め、機織りまで自らが主導して制作に当たってこられました。

 

また、後継者育成として毎年新規の研修生を受け入れ、岡谷絹工房の創立から約200人あまりの人たちに指導してこられました。岡谷絹工房の活動場所の旧山一林組製糸事務所は国登録有形文化財であり、岡谷市の絹文化遺産として見学者や機織り体験、シルク関連のイベントの対応も担っておられます。2021年からは岡谷市が進める「岡谷シルク推進事業」にも協力。ワークショップや製品開発にも関わっています。

長年、岡谷絹工房の代表として染織の技術だけでなく、シルクの歴史と文化を次世代につなぐ大切な役割を果たしてこられた功労を称え、この度信州の名工として表彰される運びとなりました。なお、受賞記念として岡谷絹工房にて小山町子氏の作品展示が行われています。ぜひこの機会にお越しください。

 

◉受賞記念「岡谷絹工房の仕事・小山町子の染めと織り」作品展開催<入場無料>※着物と帯の展示は終了しております。
会期:2025年11月4日(火)〜 12月21日(日)
会場:岡谷絹工房
岡谷市中央町1-13-17 旧山一林組製糸事務所内
お問合せ:TEL:0266-24-2245(岡谷絹工房) 開館日:火・土・日 9:00~16:00

 

 

岡谷蚕糸博物館館長 髙林千幸氏が蚕糸功績賞を受賞しました

一般財団法人大日本蚕糸会では、多年にわたり蚕糸絹業に関する研究・振興発展、蚕糸絹文化の向上に貢献されている方を蚕糸功績賞として表彰しています。このたび岡谷蚕糸博物館の髙林千幸館長が令和7年度蚕糸功績賞を受賞されました。

髙林千幸氏は、半世紀にわたり製糸技術研究業務に携わり、製糸工程管理をおこなうためのデバイスの開発や、煮繭の計測管理手法の開発を行い、製糸技術の向上に努めてこられました。シルクの新素材開発についても、ハイブリットシルクの開発を皮切りに、シルクウェーブやシルクフィル、シルクシェルなど次々とシルクの新素材を開発し、実用化を進めました。

2011年からは岡谷蚕糸博物館館長に就任し、同館のリニューアルに携わり、世界初の製糸工場を併設をする、製糸の歴史や技術を伝える博物館としてリニューアルオープンに尽力されました。同館が毎年行っているカイコ学習や次世代担い手育成事業等にも力を注ぎ、蚕糸絹文化の次世代へつなぐ活動にも力を入れてこられました。

また、大日本蚕糸会においては、蚕糸絹文化活性化推進事業審査会委員や蚕糸絹業提携確立技術・経営コンクール審査会委員、蚕糸褒章等選考委員会として活動。日本シルク学会会長を約9年間にわたって務め上げ、蚕糸関係の学術活動や社会活動にも広く貢献されてきました。

このように長年にわたり蚕糸絹業関する研究・素材開発だけでなく、シルクの文化振興発展と次世代につなぐ役割を果たしてこられた功績を称え、このたび蚕糸功績賞を受賞をされる運びとなりました。

 

▶岡谷蚕糸博物館 館長 髙林千幸氏へのインタビュー記事

髙林千幸 Chiyuki Takabayashi  – 岡谷シルク

11/29 信州OKAYA食堂 ~食べて・触れて・見る 岡谷を知る体験会~

\ 11/29 信州OKAYA食堂 /
食べて・触れて・見る 岡谷を知る体験会

東京下北沢のBONUS TRACKに岡谷の美味しいものが大集合!

かつて生産量日本一を誇った岡谷味噌を使用した料理や、岡谷名物のうなぎを岡谷の地酒と共に楽しんでいただきながら、岡谷市の食や自然、生活の魅力などを紹介します。

味噌作り体験やうなぎのつかみ取り、お蚕さまとのふれあいコーナーなど、岡谷ならではの楽しいワークショップや体験もできる、岡谷尽くしの1日!

岡谷にかかわりがある方に限らず、あまり知らない、聞いたこともない、という方も大歓迎です。
みなさまのお越しをお待ちしております!

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【開催概要】
日程|2025年11月29日(土)
時間|11:00 ~ 15:00
会場|BONUS TRACK HOUSE
(東京都世田谷区代田2丁目36-12)

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【FOOD & DRINK】
岡谷名物うなぎの串焼き、うなぎ飯
岡谷シルクスイートの豚汁
岡谷名産のおつまみ各種(いなご、うなぎの骨、ワカサギ佃煮など)
地元産日本酒やシルクビール

【体験】
■ 味噌作り体験
特産品でもある「味噌」の仕込み体験。ゆでた大豆をつぶして材料を混ぜて…ご自身の手で味噌仕込みを行っていただきます。

時 間|2部制:11:00~、13:00~(所要見込時間1時間程度)

要事前予約|右記よりお申込みください。出張!信州OKAYA食堂 味噌作り体験参加申込み | Peatix

参加費|1,500円
定 員|20名(各回10名まで)

持ち物|必要な方はエプロン(なくても体験できます)

■生きるている“うなぎ”にタッチ
時 間|11:00 ~ 15:00
参加費|無料

■絹糸ミサンガ作り体験
時 間|11:00 ~ 15:00
参加費|500円

■生きている“蚕”の展示
時 間|11:00 ~ 15:00
参加費|無料

*お問い合わせ
岡谷市ブランド推進室(岡谷蚕糸博物館内) 0266-23-3489

 

11/1~3 岡谷絹工房 アトリエ OPEN DAY

織物と音楽が奏でるカラフルな3日間。
歴史ある国登録有形文化財建物の中でシルクに触れてみませんか?

岡谷絹工房で作られた作品のお披露目のほか、
藍染や機織り体験など大人も子供楽しめるワークショップなどイベント盛りだくさん。

みなさまのお越しをお待ちしております。

 

【開催詳細】

日程:2025年11月1日(土)、2日(日)、3日(月・祝)9:30 ~ 15:30

会場:きぬのふるさと岡谷絹工房

お問い合わせ:TEL 0266-24-2245(岡谷絹工房:開館日火・土・日 9:00-16:00)

 

岡谷絹工房「織と染」作品展示販売

「染めて織る~私のきもの物語」
きものを糸から自分で染めて織ることは特別な体験。会員それぞれの想いを込めて手染め、手織りしたきもの、帯を展示。(一部、岡谷シルクを使用)

「ストールと絹小物」
色鮮やかな手織りマフラー、草木染めストール、絹小物などの展示販売

 

音楽イベント

「慶応義塾大学藤田康範研究会ゼミ生による弦楽合奏ミニコンサート」
日本最古のアマチュア学生音楽団体「慶応大学ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ」団員等による弦楽ミニコンサート。
文化財建築の広間で機織り機に囲まれながら糸と糸の響きをお楽しみください。

日時:11/3(月・祝) 開演 11:30~ / 13:30~
人数:各回先着 30名
受付:各回開演 1時間前より受付開始

 

藍染め体験

日時:11/1(土) ・ 11/2(日) 10:00~
人数:各日10名
料金:2,000円(税込)
染めるもの:てぬぐい(綿)
予約方法:電話予約 ※岡谷絹工房までご連絡ください
講師:岡谷絹工房代表 小山町子

 

コースター機織り体験

日時:11/1(土) ・ 11/2(日)
人数:各日20名
受付:会場にて随時受付(最終受付:15:00)
料金:500円(税込)

 

シルクのもこもこブローチ作り

日時:11/3(月・祝) 11:00~ / 12:30~
人数:各回10名
受付:会場にて随時受付
料金:500円(税込)

 

着物でお出かけプレゼント

着物でご来場の方に草木染めシルクハンカチをプレゼント。各日先着5名様まで

 

建物見学

大正10年建築の「旧山一林組製紙事務所」は製糸の歴史を語る貴重な建物です。

 

 

岡谷シルク認証製品を募集します。

●「岡谷シルクブランド」認証制度とは
シルクを活かして開発・創出された岡谷ならではの価値(商品・サービス)を認証する制度です。認証された際の特典として①認証マークの使用 ②商品のPR、販売の支援(岡谷シルクの公式ホームページへの商品掲載するほか、イベントやキャンペーン時に商品の出展など)、がございます。

●募集期間(2月認証分)
令和7年10月1日(水)~令和7年12月31日(水)

●対象商品
【第1類型】 オール岡谷産のシルク製品
※ストール・着物等の純粋な絹織物を対象としております。
【第2類型】 シルク製の衣類、ストール、インテリア等
【第3類型】 桑や養蚕、製糸工程で抽出される成分等が用いられている製品。桑の根を使用した化粧品、シルクパウダーを使用した食品、蚕のさなぎを飼料にして育てたもの等
【第4類型】 シルクを活かした、旅行、体験、学習などのサービス
詳しくは
【①岡谷シルクブランド認証制度 募集要項
【②認証マーク取扱い注意点】をご覧ください。

《左から第1類型、第2類型、第3類型、第4類型》

●申請方法
岡谷シルクブランド協議会事務局へ、下記の申請書等一式をご提出ください。
(1) 岡谷シルクブランド認証申請書(様式第1号)
(2) 申請者概要書(様式第2号)
(3) 商品・サービス等概要書(様式第3号-1、2)
(4) サンプル商品
※一品物につきましては商品の類似性の判断のため、2つご提出ください。
提出先:岡谷シルクブランド協議会 事務局(岡谷蚕糸博物館内 ブランド推進室)

申請書類につきまして

岡谷シルク認証申請書

岡谷シルクブランド認証制度 募集要項

認証マーク取扱い注意点

からダウンロードいただくか、岡谷蚕糸博物館にお越しいただければ紙でお渡しいたします。

▲オール岡谷産 岡谷シルクブランド認証製品

 

●お問い合わせ先
岡谷市役所ブランド推進室(岡谷蚕糸博物館内) 岡谷シルクブランド協議会事務局
電話:0266-23-3489
E-mail:brand@city.okaya.lg.jp

 

日本絹文化フォーラム2025 ~日本の絹文化を未来へ繋ぐ~

今、日本各地では絹産業を支えてきた事業者や地域の人々が、伝統文化を守りながら新しい商品づくりに積極的に取り組んでいます。このような中で、全国的な規模で絹文化に関する講演や情報交換を行う大規模なフォーラムを10/18(土)、19(日)に岡谷にて開催いたします。

多くの皆様にふるってご参加いただきますよう、お待ちをしております。なお、事前に参加申込みが必要となりますので下記の通りお願いいたします。(参加費・テキスト代:無料)

【1日目】
日時:10月18日(土)13時〜17時
会場:カノラホール(岡谷市文化会館)小ホール
内容:

基調講演「日本蚕糸業の現状と今後の課題」(東京 一般財団法人大日本蚕糸会 会頭 松島浩道氏)

講演「養蚕業に生きる」(八王子市 長田養蚕 代表 長田誠一氏)

講演「日本蚕糸業の未来形」(京都市 株式会社KYOTO SILK HUB 代表取締役会長 細尾真生氏)

講演「絹本日本画に導かれる世界–個我からの解放と自らの道–」(岡谷市 絹本日本画家・冬麗社絹絵研究会主宰 花岡哲象氏)

映画上映・講演「森を織る。」(京都市 株式会社森を織る 代表 小森優美氏)

 

 

 

 

 

 

 

 

【2日目】
日時:10月19日(日)9時〜12時
会場:岡谷蚕糸博物館〜岡谷近代化産業遺産
内容:バスにて見学 定員20名 ※無料

 9 :00 岡谷蚕糸博物館見学

10:00 岡谷蚕糸博物館発 → 山上宮坂製糸 → 山一林組・岡谷絹工房 → 丸山タンク
→釜口水門 → 一山カ旧林家住宅 → 岡谷駅 → 照光寺・蚕霊供養塔 → 岡谷蚕糸博物館着

 

【事前申込みについて】
メールまたはTEL、FAXで10月14日(火)までに、お名前・連絡先を下記事務局へお伝えください。
岡谷蚕糸博物館内(日本絹文化フォーラム実行委員会事務局)

TEL:0266-23-3489  FAX:0266-22-3675
E-mail:hakubutsukan@city.okaya.lg.jp

 

本絹文化フォーラム2025

インタビュー記事「シルクで頑張る人」Vol.10を公開しました。

インタビュー記事「シルクで頑張る人」Vol.10を公開しました。

100年以上続く、味澤製絲株式会社の4代目代表取締役社長として、シルクインテリア製品の開発・製造に取り組む味澤宏重氏。

これまで岡谷シルク一筋で活躍され、岡谷シルクブランド協議会では副会長も務められ、岡谷シルクの魅力を伝える活動にもご尽力されてこられました。

今回は味澤社長に、これまでの同社の歴史と、シルクインテリア製品の開発についてお話を伺いました。    

ぜひご覧ください。

https://okayasilk.jp/silkmaker/2544-2/

つくる場をたずねる vol.1「味澤製絲株式会社」

岡谷の市街地から天竜川を越えて、諏訪湖を左手に眺めながら5分ほど車ですすむと「味澤製絲株式会社」という門が右手に見えてきます。この諏訪湖のほとりに工場を構える味澤製絲株式会社は、明治45年に創業した100年以上の歴史ある会社です。平成10年(1998年)まで製糸工場として稼働したのち、現在は主にこれから紹介をするランプシェード等を主力商品としたシルクインテリア製品等の製造・販売業を営んでいます。

人の生活を成り立たせている衣食住。シルクという素材はこの衣食住のうち「衣」に用いられることが多い素材ですが、味澤製絲株式会社では「住」に取り入れるという新たな取り組みを進めています。原料となる繭もすべて国産にこだわり、製糸工場時代から受け継がれている技術を生かして質の高いものづくりに取り組んでおられます。今回は、その製品の製造風景を見せていただきました。

 

 

シルクシェル「絹煌(きぬきらめき)」

生糸を球体の型に巻き付けてつくられる、中に骨組みが入っていないシルクだけでできたシェード。シルクの糸を幾重にも重ね、その糸の重なりの変化によって、その表情はいく通りにも異なります。その円形の形から、あかりがつくとまるでお月様のような見た目で、おぼろげな優しい光がこぼれます。シルクは熱をつたえにくく、熱に強い素材のため、照明を長時間つけていてもあまり熱くなりません。まさにシルクの特性が生かされた照明です。

 

ランプシェード「絹煌(きぬきらめき)」

 

繭殻(Cocoon shell)にちなんでシルクシェル(Silk shell)=シルクの殻という名前がついているとおり、まるでお蚕さまが糸を吐いて作った繭のような見た目をしています。その出来上がる工程も、お蚕さまが繭をつくる原理に似ています。最初に繭から引き出した糸を乾燥せずに濡れた状態のまま、回転している丸い型に巻きつけていくのですが、その糸を引き出して型に巻き付ける様子は、まるで蚕が糸を吐き出して繭をつくっていく様子のようです。

 

 

お蚕さまが頭を八の字に動かしながら、繭を作っていくのに対して、このシルクシェルの場合は、型を回す軸が角度を変えるなどして、その巻く位置と巻き目の表情を変えていきます。型に少しでも角があると糸が切れてしまったり、たるんでしまうため、試行錯誤を繰り返して今の円形のデザインが生み出されました。

 

型に糸を巻いていく様子

 

糸を巻き取る型。糸を巻き取ったあと、シェードの中で分解して取り出す。

 

糸を巻き終わった型ごと乾燥させた後、型を分解してシェルの内側から取り外せば、シルクシェルの完成です。注文を受けてから、丁寧に一つ一つ作られるシルクシェルは、その表情も多様です。天然繊維であるシルクの糸を素材とするため、その製造する環境や湿度次第で微妙な変化が生じてしまいますが、そうした難しさを乗り越えながらも再現性を高めるべく、回転する速度・回転軸の角度・巻き数を調整しながら、多様な模様が生み出されています。複数のシルクシェルを並べるとこの多様な光の模様が目を楽しませてくれます。

 

表情が一つ一つ異なるシルクシェル

 

プレスドシルク「シルクシート」「絹やすらぎ」

薄くシルクの繊維が広がる柔らかい表情のシート。名刺やお品書きの台紙、ランプシェードとして使われています。光沢のあるシルク素材によって、和紙とはまた異なった高級感が特徴的です。

 

ランプシェード「絹やすらぎ」

 

昔から布団の中綿などで利用されてきた真綿と呼ばれる、繭糸のまわりのセリシンをアルカリ液で取り除きワタ状にしたものがありますが、また別の方法でワタ状のシルクをつくる技術が開発され、シルクウェーブと呼ばれています。繭糸がもっている自然なウェーブ(カイコが吐いた8の字状)を生かして、繭から繭糸を引き出す際に糸同士が一本一本分かれるように巻き上げたワタ状のシルクです。

このシルクウェーブを平たく並べ、アイロンをするように水分を少し加えて熱でプレスすると、糸同士がセリシンと呼ばれる成分によって接着されてシート状になります。この技術によって出来上がった「シルクシート」はカットして名刺にしたり、枠にはめることでランプシェード「絹のやすらぎ」になります。

 

手作業でシルクウェーブを平たく並べていきます

 

押し花や紅葉などをワンポイント的にはさみこんだ季節を感じられるシルクシートもあります。このシートに挟み込まれた押し花は、味澤製絲㈱の周辺で育った四季の草花に手作業で色をつけ、押し花にしたものだとか。この諏訪湖のほとりの四季が閉じ込められているようです。

 

シルクシート

 

幸せを呼ぶ『シルク「おんべ」』

この工場の片隅では、シルクで小さな「おんべ」も作られていました。「おんべ」とは、7年目(6年に1回)諏訪地域で行われる御柱祭にて、みんなの力を合わせるときに用いられる道具のことをいいます。「おんべ」を振ることでその祭りにかかわった人々に幸せがおとずれるとされており、とても縁起のよいものです。

味澤製絲㈱の味澤社長ご自身も、これまで御柱祭にて地区の代表として総代という大事な役回りを務められたこともあるとか。そんな地域の文化をつたえるお土産として、キーホルダー「シルクおんべ」がつくられました。シルクおんべは、束になったシルクウェーブに鈴などの飾りをつけて、一つ一つ手作業で作られています。

 

シルク「おんべ」

 

味澤製絲㈱では、製糸業で培った、繭を煮て糸を取り出す技術をシルクインテリア製品の製造に応用しています。シルク糸の間から漏れる灯りの自然な温もりや、さわり心地よさによって、暮らしをより快適に豊かに演出してくれるシルクインテリア。ランプシェードは、ホテルや飲食店など癒しの空間でも広く取り入れられているようです。実際にその制作の背景を知ると、実際に生活に取り入れて、その魅力を味わってみたくなりますね。

 

>味澤製糸㈱の歴史や製品に関する味澤宏重社長へのインタビュー記事

味澤宏重 Azisawa hiroshige  – 岡谷シルク

 

>味澤製糸オンラインショップ

ショッピングー味澤製糸株式会社

 

書き手:地域おこし協力隊 伊東ゆきの(2025年7月)

秋蚕養蚕体験参加者を募集します!

シルクのまち岡谷で、4万頭のおかいこさまの飼育体験してみませんか?
多くの方に、岡谷のシルク文化に触れていただけるよう、今秋も養蚕体験の募集を開始いたします!
おかいこさまの飼育体験とシルクのはた織り体験が1日でまるっと体験することができます!
市内外から、皆様のご応募をお待ちしております!

  • 募集定員:各日6名程度
    2025年9月6日(土) または 9月14日(日)の9:20~16:30頃まで

参加費2,000円(材料費・保険料・お茶代等を含む)

  • 養蚕体験について
    岡谷市内の桑園で桑の葉を摘み、三沢区民農園の養蚕現場にて桑やりを行います。
  • はた織り体験について岡谷蚕糸博物館にて、三沢区民農園の糸を使用したシルクのはた織り体験を行います。
    ※ 中学生以下のお子様がいる場合は、保護者様も同伴でご参加ください。
     未成年者のみのご参加は承っておりませんので、必ず保護者様の同伴をお願いいたします。
  • 事前説明
    各参加者に、事前説明資料の配布を予定しております。ご自宅でご確認ください。募集方法
    メール、電話、いずれも受付可能です。
    募集の際に、お名前(漢字)・お電話番号・生年月日に加え、
    養蚕体験現場の希望日9月6日(土)or 9月14日(日)をお伝えください。
    ※参加のお申込みについては8月1日(金)~8月31日(日)
    9:00~17:00の間にお電話/メールにて募集しています。

TEL:0266-23-3489
MAIL:brand@city.okaya.lg.jp

 

詳細は下記のリンクからご確認ください!
養蚕体験お申込みについて養蚕体験お申込みについて

LAKEHOOD OKAYA 2周年記念イベントに参加します!

7月26日(土)・7月27日(日)の2日間に渡りLAKEHOOD OKAYA にて
2周年を記念したイベントを実施します。
当日の会場内では、BBQイベントが開催されるほか
ワークショップイベントやステージイベントとイベントが盛りだくさんに
なっているので楽しめること間違いなし!
岡谷蚕糸博物館も7月27日(日)13:00~16:00の間
ワークショップイベントに出展しますので皆様ぜひ、お越しください!

また、諏訪湖スマートICの開通に伴いアクセスもしやすい立地になっているので
皆さま是非、お立ちよりくださいね!

当日イベントのチラシも別添にて添付してありますので
詳細はイベントチラシをご確認ください。